乗り物酔いの中でも、飛行機に乗っている時に酔うことを「空酔い」といいます。今回の豆知識は、空酔いを避け、空の旅を楽しく過ごせる方法をご紹介します。
人間は耳の奥にある耳石器※(じせきき)と三半規管※によって身体の位置や、揺れなどを判断しています。自分の意志ではない不規則な加速・減速や上下の揺れが起きた時に、耳から捉えた情報と、目から入る視覚情報に差異が生じます。その際に、脳が情報を処理しきれなくなり、自律神経※の働きが乱れます。その結果、冷や汗や胃の不快感、めまい、吐き気・おう吐などの症状が現れ、酔いとしての症状が現れます。また、上空では気圧変化の影響などから耳に詰まりを感じることもあります。他にも、気流の乱れによる揺れなど、普段と環境が大きく異なるという点も挙げられます。さらに、精神的な不安が酔いを助長させたり、誘発させたりする場合もあります。過去の乗り物酔いの経験などがトラウマとなり、次の機会にもさらに影響を与えてしまうこともあるようです。
※耳石器…耳の奥(内耳)にある炭酸カルシウムの結晶が入った組織。平衡感覚と聴覚を司っています。
※三半規管…耳の奥(内耳)にあるリンパ液が満たされた器官。回転や加速運動を感知します。
※自律神経…自分の意志とは関係なく、血管・内臓などの機能を自動的に調節する神経のこと。
• 適度な睡眠をとる…飛行中は寝てしまえば大丈夫!という方がいます。本当に機内で寝ることができれば良いのですが、もし眠れなかった場合、気持ち悪さ+睡眠不足という悪循環におちいります。また、睡眠不足は酔いを誘発する可能性があります。飛行機に乗る前日は、適度な睡眠をとり、体調を整えましょう。
• 空腹を避ける…乗り物酔いになりやすい人は、空腹の状態で搭乗すると、途中で気持ち悪くなり、胃に違和感を感じることが多いです。かといって満腹状態にしておくと、消化のために胃が動くので吐き気を感じる可能性もあります。空腹の際に搭乗するときは、菓子類や軽食で小腹を満たして乗ることがおすすめです。消化のよいものだとなお良いです。もし、空腹のまま搭乗してしまった場合でも、大丈夫!機内販売にて軽食やお菓子を販売しております。是非ご利用ください。
• 頭の揺れを防ぐ…三半規管にあるリンパ液の動きを最小限にし、揺れを感じないようにする方法です。背もたれや、窓側であれば壁に頭を預けてしまうのも手です。目線の先を決めて、その先を見続けるのも良いです。ちなみに、旋回中など、機体の方向に合わせて気持ちだけでも身体を傾けてみると、目と耳から得られる情報に差異が生じにくくなり、揺れを感じにくくなるそうです。
• なるべくゆったりとした服を着る…スキニージーンズや、ネクタイ・ベルトなどは少なからず身体を圧迫しています。それらの服装を避ける、もしくは緩めることにより緊張がほぐれリラックスした状態で乗る事ができます。シャツなどのボタンが付いている衣類も第一ボタンを外すだけでも効果があります。
• 不安やストレスを和らげる…窓からみえる風景を眺めたり、好きな音楽を聴いたり、同行者がいる場合はおしゃべりをするなど、リラックスすることが大切です。読書やゲームなどは眼球が細かい動きをするので、酔いを誘発する可能性があります。
• 事前に酔い止め薬を飲んでおく…「酔い止め飲んだから大丈夫!」と暗示をかけるように、事前に飲んでおくことで、酔うかもしれないという不安要素を払拭することができます。搭乗の1時間前~30分前に飲んでおくと、搭乗中に効果が現れます。備えあれば憂いなしです。
• 飛行中、ラクな姿勢をとる…深く腰をかけてみたり、後ろの席の方にひと声かけてから座席を後ろに倒すなど、ラクな姿勢をとります。気持ちが悪いからといって、下を向き、前かがみになっていると余計に胃を圧迫してしまいます。
※非常口付近の座席など、倒すことが出来ない席もございます。付帯サービスとして座席指定(有料)を行なっております。詳しくはこちらから。
• ツボを押す…手首の中央にあるへこんだ部分(手首の付け根から指2本置いた所)にある内関というツボを押すことによって、酔いが和らぎます。気分が悪くなったら、すぐに押しましょう。搭乗前にも少し揉んでおくとより効果的です。
• 氷を口に含む…冷たい氷を口に含むことによって、自律神経のバランスを整える方法です。ガリガリと噛んでしまうと効果が薄くなるので、飴だと思ってゆっくりと舐めることが大事です。嘔吐後でも、氷を口に含むことによって爽快感も味わえ、気持ち悪さが軽減するでしょう。
酔う原因から、予防法・対処法までを紹介しました。必ず効くという確証はありません。試していただいて、みなさんの空酔いが少しでも軽減されればと思います。空酔いに悩んでいる方が酔いから開放されて快適な空の旅を楽しめますようにお祈りしております。
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